地方創生は「単品突破」から始めよう
全国で売れなくても成功するための、現実的な商品設計の話
地方創生という言葉が一般化して久しい。
補助金、ブランド化、6次産業化、関係人口――
多くの取り組みが行われてきた一方で、「決定打」が見えにくくなっているのも事実だ。
その理由は何か。
私は、地方創生の多くが最初の一歩を間違えているからだと感じている。
それは、「まず面で考える」ことだ。
地域全体、産業全体、観光全体。
しかし、現実を動かしてきたのは、いつの時代も一点突破だった。
だから提案したい。
地方創生は、単品突破から始めよう。
① なぜ地方創生は「単品突破」から始めるべきなのか
地方創生の現場では、しばしばこう言われる。
- 「まずは地域全体のブランドを作ろう」
- 「横断的な連携が大事だ」
- 「複数商品をまとめて発信しよう」
理念としては正しい。
しかし、実装の段階でつまずく。
理由は単純で、誰の記憶にも残らないからだ。
一方、単品突破には明確な強みがある。
- 語れる
- 比較されない
- 判断が早い
- 改善点が見える
そして何より、人が動く。
地方創生に必要なのは、完璧な構想ではない。
最初に必要なのは、動かせる現実だ。
単品突破は、小さく始められ、失敗しても修正でき、成功すれば周囲を巻き込む。
だからこそ、地方創生の起点として、最も合理的なのである。
② 「全国で売れなくても成功」と言える単品をつくる
ここで、多くの人がつまずく。
「単品突破=全国で売れる商品」
そう考えた瞬間、地方創生は一気に難しくなる。
だが、提案したいのは別の成功像だ。
地方創生における単品突破の成功指標
- 特定の顧客に“強く”必要とされている
- 少量でも、継続して売れ続けている
- 地域性が「理由」として理解されている
- 作り手・地域・思想がセットで語られている
これは、量の成功ではなく密度の成功だ。
全国で売れなくてもいい。
100万人に知られなくてもいい。
100人に深く刺さる商品は、
次の挑戦を生み、仲間を呼び、地域に循環をつくる。
地方創生において本当に怖いのは、
「小さく始めること」ではなく、
始められないことなのだ。
③ バイヤー目線を捨てると、単品突破は現実になる
単品突破を阻んでいる最大の要因は、
地方側が最初からバイヤー目線で考えすぎていることだ。
- 価格は合うか
- 規格は揃うか
- 他社と比べてどうか
これらは重要だが、最初に考える問いではない。
単品突破を目指すなら、最初に問うべきはこうだ。
- この商品は、誰のどんな違和感に応えるのか
- なぜ、この地域で生まれなければならなかったのか
- 売れなくなったとき、何が地域に残るのか
バイヤー目線を捨てるとは、流通を否定することではない。
流通に合わせる前に、思想として成立させることだ。
思想が立てば、
- 小さな市場でも成立する
- 価格に説明がつく
- 数を追わなくても継続できる
結果として、大手流通に乗る可能性も、乗らない選択肢も、どちらも“選べる側に立てる。
おわりに:単品突破は「地域の意思表示」である
地方創生は、壮大な計画から始めなくていい。
まずは一つ、逃げない商品をつくればいい。
単品突破とは、
- 流行を追うことではない
- 全国を狙うことでもない
「この地域は、これを本気でやる」という意思表示だ。
その意思が形になったとき、
人が集まり、語られ、次の挑戦が生まれる。
だから、地方創生は単品突破から始めよう。
小さく、強く、意味のある一歩として